ランニング呼吸法の深掘り
ランニング中の「息苦しさ」の正体を知り、呼吸の質を高めることで、パフォーマンスとランニングエコノミーを最大化するためのガイドです。
1. 鼻呼吸 vs 口呼吸:2026年の新常識
かつては「鼻で吸って口で吐く」が主流でしたが、現在は**「可能な限り鼻呼吸を維持する」**ことのメリットが注目されています。
鼻呼吸のメリット
- 一酸化窒素(NO)の生成: 鼻腔で生成される一酸化窒素が血管を拡張させ、酸素輸送効率を高めます。
- 加湿とろ過: 冷たく乾いた空気が直接肺に入るのを防ぎ、気道の炎症リスクを下げます。
- 心拍数の安定: 鼻呼吸は副交感神経を刺激し、同じ運動強度でも心拍数を低く保つ効果があります。
使い分けの基準
- Zone 2〜3: 100%鼻呼吸を目指す(これができない場合は強度が上がりすぎている指標になります)。
- Zone 4〜5(ポイント練習): 大量の酸素が必要なため、口呼吸を解禁。ただし、鼻からも同時に吸う「混合呼吸」が理想です。
2. 二酸化炭素(CO2)耐性の向上
息苦しさを感じる主因は「酸素不足」ではなく**「血中二酸化炭素濃度の上昇」への敏感さ**です。
CO2耐性トレーニング(ボルテスト)
自分の耐性を知るために、自然に息を吐いた後、鼻を摘んで「息を止めていられる時間」を測ります。
- 20秒以下: 耐性が低く、すぐに息が切れる状態。
- 40秒以上: 優れた呼吸効率。
改善方法
- あえて少し息苦しい状態で走る: 鼻呼吸だけで走る時間を増やすことで、体が少し高いCO2濃度に慣れていきます。
3. リズム呼吸と「吐く」意識
呼吸動作は「吸う」ことよりも**「吐き切る」**ことに集中します。
代表的なリズム
- 2:2 リズム: 「吸・吸・吐・吐」の4歩1周期。最も一般的で効率的。
- 3:3 リズム: 低強度のジョグ時に推奨。より深い換気が可能。
- 延長呼吸: 「2吸・3吐」のように吐く時間を長くすることで、肺の残留ガスを排出し、新鮮な酸素を取り込むスペースを作ります。
4. 呼吸筋(横隔膜)の強化
呼吸も筋肉(横隔膜、肋間筋)の運動です。これらが疲労すると「呼吸筋盗血」が起き、足への血流が呼吸筋に奪われてしまいます。
トレーニング手法
- 腹式呼吸の徹底: 胸だけで浅く吸わず、お腹を膨らませるように横隔膜を動かします。
- 呼吸筋デバイスの活用: エアロフィット(Airofit)等の、吸気・呼気に負荷をかけるデバイスを用いて、1日5〜10分のトレーニングを行うことが2026年の最先端ランナーの間で定着しています。
まとめ:今日から実践できること
- ジョグは鼻呼吸のみで行う。
- 苦しくなったら、吸うよりも「強く吐く」ことを意識する。
- 1日5分、深くゆっくりとした腹式呼吸の練習を取り入れる。