トレッキングポールの活用術
累積標高の大きいレースや、100kmを超えるウルトラトレイルにおいて、トレッキングポールは「腕の力で登る」「下りの衝撃を逃がす」ための強力な武器になります。
1. ポールのメリット
- 脚への負担軽減: 登りでは脚の筋肉疲労を腕に分散し、下りでは膝への衝撃を20〜30%程度軽減すると言われています。
- 推進力の向上: 全身を使って登ることで、急勾配でのパワーハイキング効率が上がります。
- 安定性: 泥道、渡渉、疲労時のバランス崩れにおいて、転倒を未然に防ぎます。
2. 2026年現在の主流モデル
- カーボン製・折りたたみ式: 軽量性と携帯性を両立した、Z字型に折りたためるモデル(例:LEKI Ultratrail FX.One, Black Diamond Distance Carbon Z)がレースの標準です。
- ストラップの進化: グローブのように手にはめてワンタッチで着脱できる「シャークフレーム」等のシステムが、エイドでの作業効率を高めています。
3. 基本的なテクニック
交互(オルタナティブ)
- 動作: 左右の脚と逆の腕を出す方式。
- 用途: 緩やかな登りや平地でリズムを刻む際に適しています。
同時(ダブルポラード)
- 動作: 両方のポールを前方に突き、それに向かって体を引き上げる方式。
- 用途: 急勾配の登りで、強力な推進力が必要な時に効果的です。
下りでの補助
- 動作: 段差の下にポールを先に突き、衝撃を腕で受け流します。
- 用途: 段差の大きい下りや、脚が売り切れた後半のペース維持。
4. 使用時の注意点とマナー
- 使用禁止区間の確認: 大会によっては「スタート後○kmまで禁止」「環境保護区間は禁止」などのルールがあります。
- 石突の安全: 後ろに振り上げた際、後続ランナーの顔や体に当たらないよう細心の注意を払います(特に混雑時)。
- ゴムキャップの有無: 環境保護のため、ゴムキャップ着用が義務付けられている山域があります。
関連リンク
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